2012年 5月中頃
オトンに報告。
脳梗塞の父は、私が帰ってきたことを足音で気づいたらしく
廊下を歩き部屋に近づくと、
身体を起こし、震える手と弱々しい声で呼んでいました。
近づくの、震える声で名前を連呼し、握手を求めてきました。
「お前、癌らしいな・・・」
がっちりと手を握り震える声で、涙ながらに語りかけてきました。
どうやら、母から病気の事は聞いていたようです。
その震えた声と、父の必死に身体を起こし握手する姿に目頭がアツくなりました
そして、生涯忘れることの出来ない一言が・・・・
「菓子パンこうてきてくれ(買ってきてくれ)!!」
「・・・」
「何て?」
はっきりした口調で
「菓子パンこうてきてくれ、パン食いたいわっ」
「・・・・」
さっきまで、がっちり握っていた手をゆっくり解き、
小ちゃい声で、
「お・・・おぅ」
オトン、俺の思ってたのとちゃう~~~。
心で叫びましたが、あまりにも予想外だったので声がでませんでした・・。
ここに人間の真理があると思います。
優しい言葉を予想していたのは、私の期待であり、希望に過ぎず、
オトンにしてみれば、4年以上寝たきりの親に対して、
おいしいパンの一つや二つ持ってきて来るのは当然。
息子の癌よりも、自らの欲求が勝っただけ。
非常によい教訓を得れ、オトンに感謝しています。
ありがとう!!
いいネタです^0^
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